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穴のあけ方(丸穴篇)

ダンボール工作での悩みごとの一つに、穴のあけ方があります。特に円形で綺麗な穴をあけることは難しく、悩まれる方も多いと存じます。今回は丸穴をあける小技について書きました。

とりあえずあけてみた…まあ、普通こうなりますよね~

とりあえずあけてみると…まあ、普通こうなりますよね~

今回は1.5mm厚のダンボール(一般的に薄めのダンボールと言われているもの)を使って解説したいと思います。

  • 「工具を突き刺してあける」(主な径 ~4mm)

簡単さ★★★(簡単)

時間 ★★★(早い)

仕上り★★☆(普通)

次の工具を使います。​​

1.キリ(錐)

2.千枚通し/​竹串

​3.はさみ(ニッパー可)

​一般的なキリ

​一般的なキリ

​一思いに突き刺し、くるくる回します。

​一思いに突き刺し、くるくる回します。粉が出るように結構しつこく回すのがコツです。

ぐちゃぁ…

ぐちゃぁ…

穴の形を整えるために、竹串を使います。  ​

穴の形を整えるために、竹串を使います。

埋めた穴に竹串を刺します。  ​

埋めた穴に竹串を刺します。

​少し回しながら刺していきます。この時点では最後まで貫かず、斜めの部分が終わり切る前に引き抜くのが重要です。

このように仕上がります。しかし…

このように仕上がります。しかし…

​反対側(裏面)はなかなか酷いことに。  ​

​反対側(裏面)はなかなか酷いことに。

裏面に出ているバリを穴の中に押し込めて埋めます。  ​
裏面から再び竹串を突き刺します。

裏面に出ているバリを穴の中に押し込めて埋めます。

裏面から再び竹串を突き刺します。

ここで最後まで刺し切りましょう。

裏面から再び竹串を突き刺します。

直径2.3mm(竹串径)の穴があきました。

​穴の径を変えたい場合、竹串の太さを変えるか、千枚通しを使う手もあります。

裏面から再び竹串を突き刺します。

千枚通し(直径4mm)

​キリで穴をあけたあと、竹串ではなく千枚通しを使います。

​キリで穴をあけたあと、竹串ではなく千枚通しを使います。

裏面から再び竹串を突き刺します。

先ほどと同様、裏面にバリが出ます。

しかし、先ほどと処理の方法が違います。直径4mmとなると径が大きく、埋めるだけではバリは取り切れません。そこで、バリの部分をハサミ(やニッパー)で切除します。

切除したあとは先ほどと同じです。同じように埋めます。

切除したあとは先ほどと同じです。同じように埋めます。

​切除した分、穴は完全には塞がれていません。

再び千枚通しで突き刺します。

再び千枚通しで突き刺します。

裏面もこのようにあきます。

裏面もこのようにあきます。

  • 「パンチを使ってあける」(主な径 ~6mm パンチに依存)

簡単さ★★★(簡単)

時間 ★★★(早い)

仕上り★☆☆(いまいち パンチの構造による)

※挟める範囲でしか使えない

次の工具を使います。​​

1.パンチ(穴径ごとに必要)

パンチを使用した穴のあけ方を解説…といっても、本来の使い方をするだけです。

​パンチ

​パンチ

こちらは直径1.5mm~4mmの穴をあけることができます。

ダンボールを挟んで穴あけ

ダンボールを挟んで穴あけ

刃を一方向から押し当てる構造上、少し周りがへこみます。

刃を一方向から押し当てる構造上、周りがへこみます。

3mmのダンボールで使うとさらにへこみます。へこませたくない場合は千枚通しで頑張るか、ハンドリーマ―(後述)の方法をお勧めします。

こちらは事務用品のパンチ。(直径6mm)

こちらは事務用品のパンチ。(直径6mm)

結構綺麗にあきます。

結構綺麗にあきます。

  • 「ハンドリーマ―&ハンドリューターを使ってあける」(主な径 6~30mm)

簡単さ★☆☆(難しい)

時間 ★☆☆(かかる)

仕上り★★☆(普通)

※工具の値段が高い​

次の工具を使います。​​

1.キリ(錐)

2.ハンドリーマー

​3.ハンドリューター(先端工具必須)

​そこそこ大きい穴だけどカッターで切り抜くには小さいな~という時にこの方法を使います。

​ハンドリーマ―。  ​

​ハンドリーマ―。

キリで穴をあけた後、​ハンドリーマ―でゴリゴリ削ります。

キリで穴をあけた後、​ハンドリーマ―でゴリゴリ削ります。

ハンドリーマーであなあけ

ぐちゃぁ…。

ハンドリューターにヤスリを取り付けます。  ​

ハンドリューターにヤスリを取り付けます。

ヤスリを回転させ、バリを削って整えます。

ヤスリを回転させ、バリを削って整えます。粉塵には注意。

ハンドリーマ―とハンドリューターを使用しての仕上がり。

ハンドリーマ―とハンドリューターを使用しての仕上がり。

  • 「カッターで頑張る」(主な径 30mm~)

簡単さ★☆☆(難しい)

時間 ★☆☆(かかる)

仕上り★★★(良い)

※腕に依存

※厚みが増えると大きい径でないと厳しい

主な工具

1.コンパス

​2.カッター

一番単純明快な方法です。​カッターは切断する際に材料を押さえつけないので、断面がきれいになります。

コンパス等で線を書きます。

コンパス等で線を書きます。(試しに直径60mm)

カッターですいーっと切断します。

カッターですいーっと切断します。

コツとしては…

1.厚みがあるのでカッターの刃は垂直を意識する。

​2.左側が残す方(写真で言うと穴の外側)。もし円形の方を残したい場合は右回り。

 ※刃先が見える方を残す、という考え方です。

3.重ね切りしない。一回で貫通させる。

4.黒刃&刃を折った新品部分で作業する。

カッターでの穴あけ

完成。

バリの処理が必要ないので、小径でもカッターで切り抜ける腕のある方は、この方法が一番良いと思います。

 

まとめ

 以上、私が常用している「丸穴のあけ方」でした。今回は寸法の小さい順で紹介しましたが、仕上がり具合により方法を変える必要があります。時間や予算、作業環境との兼ね合いもあるかと思いますし、一概にこのときはこう、というのはありません。試行錯誤して良い作品にしましょう。

 また、穴の壁の部分にダン目隠し処理を施したり、強度を上げるために木工ボンドをしみ込ませて固定したりする追加加工をすることもありますが、こちらは別の機会にご紹介したいと思います。

 実はもう一つ、紹介した以外にもあるにはありますが…レーザー加工機で焼き切る方法なんですけどね?5/100mm単位で正確に切り抜けますし、断面もスパーンと綺麗!こちらはチートなので本コーナーではパスしました。

以上、ご参考になればと。

​うぷあざ棟梁

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