ダンボール工作でよくあるケガ
ハイサイ皆さん、うぷあざ棟梁です。
皆さんはダンボール工作、楽しんでいらっしゃいますか?
工作の材料としてポピュラーなダンボールですが、油断してるとケガがおきることもしばしばあります。快適なダンボール工作ライフを送るために、注意喚起ということで、書かせて頂きます。
1.刃物によるケガ
ダンボール工作の初めたてで一番起こるのが刃物による切り傷ですね。ハサミやカッターなど、切断する工具で指などを一緒に切ってしまう痛々しいケガです。慣れてくるとこういったケガはほぼなくなってきますが、慣れは油断となって、忘れたころにまたやってしまうものです。
まずはカッターによるケガについて。まず大前提として、
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力を入れない
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不安定な場所で作業しない
…というものがあります。
「力を入れない」とは、負荷が急になくなった時、カッター自体が飛んで行ったり、刃が折れて目に入ったり、勢い余って指を切ったり、周囲の壁等に手を打撲する等、制御できない「急」な動作によっておきてしまう事故を防ぐ意味があります。「不安定な場所で作業しない」とは、意図しない場所(指等)を切ったり、刃物を落として足等に刺さる等の事故を防ぐ意味があります。
これを踏まえまして、具体的に次の作業を心がけましょう。
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刃を出しすぎない(2段程度までにする)
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新品の刃を使う(常によく切れる刃を使う)
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進行方向に手等を置かない
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力を入れない
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カッターマットを使う
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材料と刃物を固定できる場所で使う
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3S(整理・整頓・清掃)をする
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直線を切りたい場合は厚みのあるスケールを使う
…があります。
特に「よく切れる刃を使う」という項目は、なぜ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大切なことです。切れない刃を使うと、余計な力が入ります。余計な力は意図しない急な動作を引き起こしますので、大変危険です。切れる刃を使えば余計な力は入らず、快適な作業を行えます。「もし指を切った場合は危ないじゃないか!」という考えもありますが、そもそも切れない刃も切れる刃も人間の指にとってはどちらも切れる刃です。切れにくい刃を使ってはいけません。最低でも1日の作業で1回は刃を新しく折りましょう。
※ちなみに、あえて切れにくい刃を使う例もありますが、かなりレアケースな上、あまり使ってほしくはない技法ですね。→ダンボール蚊取り扇風機
カッターの刃の摩耗状態を比較。左は先端が欠けています。右は折りたて。
とは言え、カッターの刃の処理は意外と面倒です。折った刃をそのままゴミ箱に捨ててしまうと、高確率で袋を破って散らばります。ガムテープに挟んで捨てるのが最低限の安全策で、一番良いのは専用の刃折器を使う方法です。綺麗に折れ、カッターの尻の部分を分解する必要もなく楽なうえ安全です。ものによってはカッター本体より金額が高いのですが、快適なダンボール工作ライフを送る必須アイテムです。
刃折器
折刃器と同じくらい重要なのが、カッターマットです。カッターマットを、例えば重ねて厚みを持たせたダンボールや、ベニヤ板等で代用すると、刃が引っ掛かり、結果として力がかかり急な動きを誘発します。また、刃の摩耗や欠けも早くなり、頻繁に刃を折らないと安全を確保できなくなります。A3くらいの大きさで1000円~1500円くらいしますが、ケチらずに買いましょう。
次に、直線を切る場合の注意事項です。厚みのあるスケール(定規)を使うという鉄則なのですが、手元にないと意外と「これでいいや~」と言って薄いスケールを使ってしまいがちになります。絶対にやめてください。
厚みの違うスケール(定規)
なぜ薄いスケールはダメなのかと言いますと、カッターの刃が乗り上げるからです。特にダンボールは切るときに力が必要で、波の部分がカッターを上下に振動させることもあります。更に、ダン目に沿わず斜め方向に切るときにはダン目が刃の進路を変えようとしますので乗り上げる要素が多く、薄いスケールでは役に立ちません。ちなみに、上の写真右の薄いスケールは、寸法測定用で使っています。0mmからメモリが存在するので、材料の端から測れるメリットがあります。
閑話休題。
また、厚みがあればよいというものでもなく、厚くても乗り上げやすいものはNGです。特に摩耗したスケールは刃が引っ掛かりやすく、乗り上げるリスクが高いです。
摩耗したスケール(上)と新しめのスケール
写真のとおり、摩耗した方はデコボコで、既に何度か乗り上げた形跡もあります。本来ここまで使ってはいけません。一度でも乗り上げたスケールは、乗り上げやすくなるので、使わないようにしましょう。スケールも消耗品だということを意識して頂ければと思います。私の場合は、1~2作品に1本のペースで買い替えています。
次はハサミによるケガについて。
カッターほどではありませんが、ハサミも刃物ですので、ケガをすることもあります。大抵はハサミをカッターの代わりにしようとして持ち方を変えたり、硬すぎるものを切ろうとして握力任せに強く挟んだ結果、薬指あたりを開閉機構に挟んで血豆になったりと、本来の使い方を逸脱した際に起こります。意外とハサミによる切創は少ない印象ですね。ただし、出しっぱなしにしたときには刃が開いた状態になり、気づかずに踏んでしまう等のケガが起きやすいため、保管についてはカッターより気を遣う必要があります。
2.ダンボールによるケガ
ダンボールによるケガ…想像しづらいかもしれませんが、ダンボールは手を切ります。作品のクオリティを上げるため、ダンボールをよく切れる刃で切る必要がありますが、その分切り口も鋭利になり、触れ方によってはダンボールで手を切ることがあります。
私の場合はカッターでの切創よりダンボールで手を切る事の方が多いです。軍手をするのがベストなのですが、それはそれで細かな作業ができないのでどうしても素手で触ってしまいます…。
これの対策ですが、もうダンボールの切り口に触らない、くらいしかありません。ありがちなのが、切断面を接着剤で貼り付け、固まるまで押さえつけようとして手を摺動させたときですね。なるべく洗濯ばさみやバイス、マスキングテープ等を使って、手をダンボールに擦らないように作業してください。
また、このケガ、切ったときにすぐ気づかないことが多いというのも厄介なところです。微妙に切れてる!というやつです…。その時は痛くなくても、お風呂に入ったときなどにしみてきて、あとから気づく痛みです。本当に気を付けてください。
3.接着剤によるケガ
私は木工ボンドをメインに使うのであまり経験はありませんが、瞬間接着剤を使用する場合には注意してください。瞬間接着剤は適度な温度と水分によって固まるので、人間の皮膚は大変に条件が良いです。読んで字のごとく、瞬間に固まります。指が固まるとしばらくは手先の感覚が鈍くなり、工具を持っても滑りやすく、次のケガを誘発します。接着剤の扱いは十分に注意してください。
まとめ
いかがでしたか?楽しくものづくりをしようと思う方に、少々脅すような記事を書いてしまいましたが、どれも私の20年余りに渡る経験から書いているものですので、同じ失敗はしてほしくないという思いでまとめました。ダンボールは数ある素材としてはやわらかい方に分類されると思いますが、決して危険がない訳ではありません。「こういう事もあるんだ~」という予備知識として、持っていただければ幸いです。
最後に、カッターの販売会社である OLFA株式会社 様のHPにあります「カッターナイフの正しい使い方」ページのURLを貼っておきます。こちらも合わせてご参照願います。
それでは、安全で楽しいダンボール工作ライフを。
うぷあざ棟梁
おまけ
最後の最後に・・・
私が今まで経験したケガやヒヤリハットについて、思い出せる範囲で書きたいと思います。小学生の時の大馬鹿な経験も含まれますので(むしろメイン?)、何卒ご容赦願います…。ケースバイケースな事例もありますので、自分ならこうする!というように対策を考えながらお読み頂ければ幸いです。()内は主な原因を簡単に書いています。
カッター篇
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長い直線を切りたくて床にダンボールを置き、長尺を足で踏みつけて固定、カッターで切断中にスケールを乗り上げ足の指を切創。(摩耗した定規)
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厚みのあるダンボールを切ろうと刃を3cmほど出して切断中、刃を押すタイミングで根元から折れ、刺さったままの刃の上にカッターを持った手が着地、切創。(刃の出しすぎ)
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机の上で作業中、カッターが落下して太ももを切創。
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机の上で作業中、カッターが落下して足の甲の数cm隣に落下、ダーツの矢のごとく床に刺さった。
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切断中、材料に引っ掛かったカッターを引き抜こうとして刃が折れ、顔面に飛んできた。(刃の出しすぎ、力の入れすぎ)
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出しっぱなしにしていたカッターの刃を弟が踏み、切創。(3S)
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手に持ったダンボールを削るようにカッターを使用中、刃が滑り、ダンボールを持った手の人差し指に接触、切創。(不安定な場所での作業)
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折った刃が散らばり、足で踏んで切創。(3S、専用刃折器未使用)
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刃を手前から奥に向けてかつ水平に力を入れていたところ、抑えていた左手に勢いあまって接触、爪の間に刃が入り切創。
ハサミ篇
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硬いものを切ろうとして力を入れた結果、ハサミのヒンジが破断し手のひらの皮を挟み、うっ血。(用途NG、力の入れすぎ)
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硬いものを切ろうとして、右手で普通の持ち方、左手で金属部分を握り握力をかけるという使い方をした結果、材料を切断しきったときに左手も一緒にハサミに巻き込まれて切創。(用途NG、力の入れすぎ)
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カッターを代用してナイフのように片一方を持ち使用していたところ、反対側の刃が戻ってきて持っていた手を切創。(用途NG)
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刃渡りの長いハサミを使用中、間合いを間違えてダンボールを持つ手をダンボールと一緒に切創。
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1日中ダンボールを切断していたところ、ハサミの使いすぎで腱鞘炎寸前にまで手首が痛んだ。
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右肩の関節が外れたときに、工作したい欲に駆られて左手でハサミを使用、案の定ケガ。(不安全作業 当時4歳?)
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刃の片方を持ちダンボールに突き刺して穴をあける作業中、親指をハサミのヒンジに当ててしまい、反対側の刃で切創。(用途NG)
接着剤篇
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瞬間接着剤で人差し指と親指を接着。OKのジェスチャーのように固まる。
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有機溶剤が付着した手で目をこすり、目が痛くなった。
その他
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ダンボールを削っている途中、粉塵が舞い喉と目を傷めた。
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竹串とダンボールを組み合わせた部品を製作、仮置きしていたところ、弟が踏み出血多量。
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有機塗料黒スプレーの吹き出し方が分からず、吹き出し口を見ながら色々四苦八苦していたところ、突然吹き出して、目にスプレーが勢いよく混入。もの凄い痛みで目がしみた。
・・・以上、思い出せる範囲でこんなことをしでかしてきました。こうしてみると酷いですね。社会人になってからは上記のようなことはしなくなりましたが、幼稚園小中学生の頃はヤンチャでしたね。皆様におかれましては、くれぐれもお気をつけください。